I love 500円玉❤️

 我が家に500円玉専用貯金箱がある。リビングカウンターに鎮座した豚くん。透明なのでどれぐらい貯まっているかがわかり、励みになる。これはいただきものだったと思う。始めたのは随分前だ。子どもが犬を飼いたいと言い出した時、真っ向から「だめだ」と言えなくて、じゃあいっしょにお金を貯めようか、となったのがきっかけだ。

 

 幼子が500円をすぐに手に入れられるわけでもなく、おじいちゃんおばあちゃんがくれるお小遣いを1枚入れる間に、自分がせっせと貯めた。貯めてる時が1番楽しい。もともとマンション住まいだったので、犬は飼えるわけではなく、子どもが成長したら説明するつもりでいた。いや正直、そのうち忘れるだろうと思っていた。しかし、存在感の強い透明な豚くんが子どもはともかく、私の気持ちを奮い立たせてくれた。

 

 程なくいっぱいになった。豚くんはあまり大きくないが、相当食べる。ガチャンと割るのもはばかられたので、コツコツ定規を差し込んで貯まった500円を取り出した。150000円!なかなかの額だ。

 

 そのころには、子どもも犬を飼うことは忘れてくれていた。妻と相談して500円貯金第1号はエアコンにした。この時は意見は一致した。

 

 お金をちびちび貯める心地よさと、次は何をという夢見ごごちでこれが癖になった。もう6回貯めた。2回目は、知らない間に子どもの英語教材に消えた。これは間違いなく夫婦間の亀裂を生んだ。ほとんど自分が貯めたという自負があって、家族全体の利益になるものを買いたい。・・・と小さな声で言った。3回目は旅行した。4回目はなんだったっけ?5回目は結婚する娘へのプレゼント。6回目は息子だ。今は7回目に挑戦している。7回目は妻へのプレゼントにするつもりだ。

 

 その次でいいから・・自分のものを買いたい。