ありがとうのススメ

 ありがとうはとてもいい言葉だ。世界共通で伝わる、心に響く言葉だと思う。日本ではよく「すみません」を使う。その言葉の中に感謝の気持ちも込められている、というのは日本人同士ならよくわかるけれど、世界となると伝わりにくい。前に書いたように、若いアスリートがインタビューで感謝を口にするのはやはり人間として大きくなった証だと思う。この言葉を自由に使えるようになると自分にとっても良いことが引き寄せられるような気がする。乱発してはいけないが、小さなことでも「ありがとう」。

 

 学級目標を「ありがとう」にした年がある。ちょっと年度はじめ雰囲気が刺々しいなと感じた年だ。最初はイラッと来ることを腹におさめ、小さなことでもありがとうを繰り返した。やがてクラスの合言葉風になり、年度末にはほわっとした雰囲気になった。『ありがとう学級』記憶に残る人たちになった。言霊というけれど、あの1年を思えば信じられる。春から半年ぐらいは教室に置いた観葉植物もよく枯れた。サボテンが枯れたときはびっくりしたけれど不思議と寒くなっていったのに後半は枯れなかった。植物も教室の声を聞いているのだろうか。

 

 余談になってしまうが、参観日ポイントで教室に花や緑があれば、よくご覧になるといい。クラスの雰囲気をよく表している。もちろんその日だけ置かれたものは別だ。いいクラスができればまず一歩入った時のムードがあたたかい。いくら取り繕っても、その感覚はフィーリングなので隠しようがない。子どもの笑顔が弾けて笑い声が絶えないクラスがいい。笑い声も自然に発生するあたたかいものでギャグの笑いではいけない。

 

 自分だけの感覚かもしれないが、やはりテレビの影響は大きいのでその時その時の子どもたちの笑いの質は変容してきたように思う。人を貶めるような笑いやツッコミを教室にそのまま持ち込むのは困った。

 

 ありがとうとは違うけれど、ドイツで便利な言葉を教わった。

 Bitte.   魔法の言葉、と言われていた。どうぞ、お願いします、なんて言いました?、どういたしまして、・・・渡航したての頃は同僚から、困ったらこれを言えと。 Danke schon よりも Bitte schon! (oはウムラウト) 同じフレーズを繰り返すより、少しバリエーションを変えましょうね😀 そう優しく教えてくれたのはドイツ語の先生だ。旧東ドイツのご出身で真面目な方だった。

 

 ありがとうにさまざまなバリエーションがあるのは素敵なことだ。日本人は同じありがとうにニュアンスを添える。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!🤗