低体重児 命の重み

 最近は妊婦さんの体重管理がとても厳しい。私たち夫婦が産婦人科にお世話になっていた頃は、それほど厳しい制限はなかった(と思う)。食べ物の質には気を使ったけれど、体重管理は自然に任せていた感じだ。おかげで?子どもたち2人とも大きく生まれてきた。つまり新生児や乳幼児の体重についてあまり気に留めないできた。

 

 医療技術の発達で、かなり早い段階で出産しても命は守られる。NICUが備えられている病院が公表されていて心強い限りだ。それこそ1kg未満で生まれてきたお子さんと出会うことも増えてきた。その成長ぶりに驚かされる。そして命の強さや重みを実感する。出産から養育に至る苦労話をご両親にお聞きすると、自分たちがいかに恵まれていたかがわかる。その点苦労知らずであった。

 

 「生活科」という教科で、単元の最後に『自分史を作ろう』という授業をした時のことだ。子どもたちに、生まれた時の様子や、大きくなる過程でできるようになったことを自分の記憶や家庭での聞き取りをもとに、1冊のアルバムにまとめる授業である。小さい頃の写真をお借りしてカラーコピーして使わせて頂いたり、保護者にも説明して学校・家庭・子どもの3者で作り上げたいです、という話をした。最初のページで、生まれた時の身長や体重を書くページを作っていた。その体重を粘土で再現して持たせてみたりもした。でも、やり直せるならその部分を全て別な形にしたい。1グラムのシビアさを当時の私は今ほど理解していなかったろう。今なら別な展開を考える。

 

 生まれた自分の子どもを初めて抱いた感覚は今も手に残っている。お母さんのお腹の中からすでに人生は始まっている。こんにちは赤ちゃん。外の世界の出発の重さである。命は重い。