あらら!?ICT教育⑨:今日のICTは、Itsumademo Crazy で Tamaranai

 今 あるもので・・

 クイズ番組で。「昭和の学校にあって令和では見かけなくなったもの」がテーマにあげられ興味深く見ました。アルコールランプ、百葉箱、焼却炉なんかもそうですね。では、逆に昭和にはあまりなかった(と、私は思うのですが)今やみんなが持っているものは何でしょう?

 

 水筒

 水筒です。必需品です。特に夏。運動をやってるらしき中学生は炊飯器のようなボトルを手に歩いています。小学生も夏場は特に水筒が大きめになります。あれは1年生には大きすぎて重すぎます。たすきがけで持つようには言われるのでしょうが、首からぶら下げている姿もよく見かけます。首が締まるのではないかとヒヤヒヤです。重さより脱水や熱中症の危険回避を重視するのは当然ですが、あれをなんとかしたいといつも考えていました。こぼしたり、壊れたり、アクシデントは起こります。コロナで学校で沸かしたお茶をあげることができなくなり、学校では新品のペットボトルを渡し後日同等品で返品いただくシステムでした。

 

 作戦1

 自動販売機を誘致しようと市教委と交渉し、許可を得て学校単体で業者をあたりました。学校規模でいうと到底相手にされない状態です。規模の大きな学校には設置実績がありましたがもちろん大人だけが対象です。そこを「子どもたちが買えるように」交渉しました。条件は、一人1日2本までという限界値を設けること。現金ではなく非接触媒体による購入を可能とすること。お茶と水しか売らないこと(夏場はスポーツ飲料可)値段を下げること。子どもが1日1本買うとなると・・業者もかなり前向きになってくれました。

 今の自販機は進んでいて、上の条件はほとんどクリアしてくれました。地域やPTAがコロナで使い道のなくなったお金を投入してくれることになり、値段も相当下げることに成功しました。95%設置可能!というところで、「非接触媒体がクレジットカードでなくてはならなくなり」頓挫しました。顔認証の機能がある自販機もあり、よかったのですがそれが親のクレジットカードとしか紐付けできなかったのです。さすがにそこは受け入れられぬと断念しました。

 

 作戦2

 避難所開設の際、緊急用の水を買うということで箱入りで保存のきく水を買おうとしました。箱に蛇口を突き刺すと飲め、保存可能期間も長いものです。いくつかまとめて購入するとサーバーがセットになりいつでも飲めるというものです。お茶の選択肢は無くなるけれどこれしかない!少なくとも水筒は小さくて良いだろう。

 市教委の答えはNo!でした。非常用の水は危機管理部門の管轄で教育委員会ではない。→危機管理部門は、非常用の水は各校地域の人数に応じて平等に倉庫に保管されており1校のみ買い足すことはできない。子どもや親の負担を減らす良い考えなので是非全校に・・・これで子どもたちは水筒の重さから解放されるのです!抵抗虚しく2つの作戦は失敗しました。

 

 平等の不平等

 よく悔しくて噛み締めた言葉です。思いついたことはほとんど実現できたと振り返りますがこの「水筒をなんとかしたい」ということは実現できませんでした。水ひとつ買えない、実はこれが学校の実態です。

 今インターナショナルスクールは、自動販売機もウオーターサーバーもあちこちにあって子どもたちが利用できます。子どもたちはそれでも水筒を持ってきていますが、鞄に入る小さめのものばかりです。いざとなっても水があるのは安心です。私が欲しかったものが全てあります。

 

 重いランドセルがよく話題になりましたが、水筒だってなかなかです。いつの日かこの重さから子どもたちが解放される時が来ますように。これに気がつく大人が増えますように。