叱り方:ドイツ教育事情③

 良い叱り方があるそうだ。「次はがんばろうね」:結果を断じるより努力を誉める。ひとつひとつ納得のいく言葉だ。そんな研究を関西の某有名2大学が共同で行ったそうだ。根拠が2000人のアンケート結果だというから興味が湧いた。

 

 そもそも子育てに成功ってあるのだろうか?こういう叱り方をした子がこう考えるようになった。良い悪いの判断基準は?・・・よく聞いてみたい。それとこういう研究をしようと考えた動機を。疑念を持っているのではない。マスコミの記事だけではなくぜひ論文を読みたい。楽しみだ。

 

 さてドイツである。ドイツは、というより日本以外の国はカギ社会である。家でも学校でもカギは最重要アイテムだ。教室もとても重い鉄のドアで、真っ先に子どもを閉じ込めないように言われた。ドアは閉まったら勝手にロックされる。内側からしか開かない。でもいわゆるカギを回して外から閉めるともう泣いても叫んでも開かない。まして壁の厚い国である。家でも同じだ。全ての部屋にカギが突っ込んである。自由を奪うという最高の罰を与えるために。

 

 ドイツの最高のお仕置きは、子どもを部屋に入れてそのカギをとってしまうことだ。さらにイギリス人の先生は、よくお尻を叩かれたと言っていた。ハリーポッターを思い出す。

 興味本位ではあるが、そういう伝統の叱り方叱られ方は調べるに値する。インターの子どもたちの冬休み宿題のヒントになるかな?

 

 自分はどうだったか。よく「蔵に入れる」と脅かされた。本当に入れられたことはない。近所のお兄ちゃんはよく「やいと」をすえられていた。静かな夜に阿鼻叫喚の叫びが響き、それを聞いただけで十分な脅しになった。・・次はお前だ

 

 日本の叱り方やしごきは深掘りすると残酷だ虐待だと言われるに違いない。もちろんドイツ流閉じ込めも日本では虐待になるだろう。私が駐在していたころの日本には、まだ児童虐待防止法はなかった。しかしドイツにはそれらしき法律がすでにあった。泣きながら1人で登校していた子どもを保護した警官が親を逮捕したことは何回かあった。飼い犬を家に放置しても逮捕されると聞いたことがある。

 愛するもの、愛しなければならないものを守るために法律があるとすれば、児童虐待防止法やいじめ対策推進法の制定はあまりにも遅い気がする。