4団体統一❗️:バウンドフォーバウンド!

 これはすごい。スポーツ界のビッグニュース。ワールドカップほどの扱いは報道番組もしていないが、昔からボクシングを知っているものとしては日本人からこういうすごいチャンピオンが登場することはかつて想像できなかった。

 

 そもそも、どうして同じ階級に4人もチャンピオンがいるのか?どうしてチャンピオンベルトが4本もあるのか?という疑問から始まって、やはりスポーツといえど「興行」と縁が切れない世界を感じる。テレビ放映権もそうだ。タイトルマッチとなれば格が上がる。昭和の時代、ボクシングはハングリースポーツの典型だった。「あしたのジョー」で描かれた世界、夢のトリプルクラウン一歩手前まで近づいた、ファイティング原田が活躍した階級が黄金のバンタム。それを統一したのだから紛れもなく井上尚弥選手はバウンドフォーバウンド、スーパーチャンピオンである。

 

 拝見していてお顔が良い。パンチをもらっていないことも強さの証明だが、甘いマスクの裏に凄みが隠れている。真っ直ぐな闘志を感じる。そして勝って驕らない。「感謝」を口にする。さすがスーパーチャンピオンだ。トレーナーの元チャンピオンも苦労人だ。八重樫さんには打たれても打たれても、という強さと逞しさがお顔にあらわれている。そのお二人がタッグを組んだのだから最強だ。11RTKO は興行的にも見事な試合だった。

 

 ボクシングはショーでもあり、「自分は打たれずに相手を打つ」スポーツだ。両方の要素が絡んで見るものを魅了する。ボクサーライセンスを持つ人の拳は凶器とみなされる。やはり心と身体を磨くことが不可欠で、ファンはそこに魅了される。久々に見惚れるボクサーだ。