1年間

 最後の記事を書いて1年。

 

 ふ登校対策に挑戦した1年。脇目もふらずがんばってみてその成果は・・・

メタバース教室で受け入れた3名の中学生。うち2名が別室への登校ができた。

なんとも小さい成果だ。

 

 「学校に行けていない子どもは全員おいで!」と声を大に呼びかけたかったけれど、そこは自分も行政に飛び込んでみたものの、さまざまな制約がある。わかっていたつもりではあったけれど、なんとか突破できるとも思っていた。そして突破できたのが3名。その背後には保護者の協力や学校の協力があった。それには心から感謝したい。いや、ご協力をいただいた時点で3名の子ども達にははっきりとした道標ができていたのだ。

 

 民間の施設はお金もかかる。オンラインでも同じだ。行政が教育支援センターを使って新しい居場所としてのメタバースを創ることが最も保護者には安心だろう。そのためにはメタバースに適した指導法やICT機器の操作に長けた教職員の人材を確保しなければならない。まずここに高い壁がある。技術の進歩に人事育成が追いつかない。そして、リアル学校と同じように人と人が交流すれば当然トラブルも生じることがある。それを大きなリスクとして捉え完全に排除することは難しい。たくさんのメリットを得るためにあえてリスクを取る勇気が要る。

 

 やりたい気持ちはあっても踏み込めない自治体が多いのはここに原因の1つがありそうだ。何かが起こった時、誰が責任を取るのか、取れるのか。そう問われて答える術は一介の臨時職員にはない。もどかしい問いの答えを探しあぐねて1年が来た。

 

 行政での挑戦は終わる。3名が通ってくれたメタバース風スクールは継続。教育支援センターの本格メタバース版も作れた。人材育成が追いつかないので自前で友だちAI(仮)も作ってみた。運用は後に託す。

 

 次は民間だ。行政が抱える内部矛盾ともいえる壁は民間で補える、いや補わなければならない。ある大都市の教育委員会を視察に行かせていただいてその言葉を聞いた。「どうかお力を貸してください。」同時にこの精神が1年間私に欠けていたものだと気付かされた。

 一人で気負わず、がんばらずとも力を合わせればよかったのだ。目的は同じなのだから。