I like coin❤️

 ヨーロッパの通貨「ユーロ」(現地発音では オイロ)はとても便利だ。加盟国ならどこでも使えるし国によってデザインが違い見ていても楽しい。集めるためのシートも売っていたので買ってみた。8〜9割が埋まったが、手に入らなかったものもある。1オイロ硬貨はずっしり重いがセントは軽い。磁石につけてみるとついた。靴の底を磁石にすれば1セントを集められそうだとケチなことを考えた。ヨーロッパの人たちからすれば、例えば地下街の水路や観光地の池にコインを投げ入れるのは理解できないらしい。「なぜ捨てているのか?」

 

 小銭はレストランのチップなどで使う機会が多い。トイレが有料なのでいつも持っていた方が良い。電子決済が日本だけではなく世界に広がっているが、あのトイレの料金はどうするんだろう?と思ってしまう。お掃除だけではなく、銭湯のように見張ってくれているから衛生的だし安心だ。コインを入れたら扉が開く自動公衆トイレもあった。トイレといえばどこの国とは言わないが、日本で使うコーンのようなポータブルトイレもあった。一度に4人が用を足せると、ただし男性のみ。

 

 性善説からなる国は、電車の駅にも改札というものがない。進んでいけば乗れてしまう。電車内で焦ってコインを片手にチケットを買おうにも買うことはできない。あらかじめ買って、電車やバスでは乗った日時を刻印する。そのチケットの自動販売機もそれらしい装飾がなく、バスや路面電車の停留所にこっそり立っている。先に買いたいチケットを指定しないとコインの入口は開かない。グリグリグリグリ押し込もうとして妻が諦めたころ、優しそうなおばあさんがスマートに買っていた。

「ああやるんだ・・( ;  ; )」そうやって1つ1つ学習していく。販売機がなくバスに乗り込む時に買おうとして「チケット・チケット」が通じず、長時間停車させて迷惑をかけたことがある。チケットは「カルテ」という。たったそれだけのことで・・

 

 休みの日の早朝、焼きたてのパンを買いに行くのが男性の仕事だと聞いて息子と出かけた。なるほど行列ができるほどの盛況ぶり、男性の行列だ。そこで何度も「パン」というドイツ語を言い直しさせられた。生活に慣れない頃はつい大きなお金を渡してお釣りをもらうことを選んでしまう。家に帰ってお釣りを確かめると、どうも足りない。騙された! でもそんなことは珍しくないよ、と言われて、そのおばさんはきっと計算が苦手なんだと言い聞かせていた。

 

 一か月も経った頃、3回目の言い直しで「Gute」と言ってくれた。「笑った😄・・」その日のお釣りは間違っていなかった。あれは語学レッスンのつもりだったのか!?おばさんとはすっかり仲良くなって、離任の時には真っ先にプレゼントを持って挨拶に行った。

 

 コインに絡んでたくさんのことを教わった。日本にも朝早くからやってるパン屋さんってないかな?