ゼロコロナ

 中国でゼロコロナを解除した途端、感染情報が溢れ出した。おかしな国だ。世界に名だたる大国が・・。我々世代のイメージは、貧しくても人心は豊かな国だったけれど、今や世界の先進国。リニアモーターカーが走り、街は自転車ではなく電気自動車でいっぱいだ。その一方で電気ステーションに車が行列したり、今はコロナか何かわからないが、薬局に人が押し寄せたり、野外で点滴を受けている映像が流れる。もう一つ行列しているところが火葬場だと。

 

 人よりモノか。モノの開発に躍起になって日本や欧米をいつの間にか追い越し、人を育てるのを忘れたか。日中国交回復の時、当時の田中角栄総理からは自動車が、毛沢東国家主席からは1冊の本が贈られたというエピソードを担任の先生に聞いたことを覚えている。「負けたなと思った」と言われた。少年?の心に担任の言葉は響いた。いまだに忘れられないのだから。

 

 貧しくても(心のもちようは)豊かでありたい。そんな教育を受けた気がする。もちろん、結果貧しくても笑顔を絶やさない人は少なくないしそんな生き方でいいよと教わったのだと思う。今は能力とアイデア次第でがんばれば収入はついてくる。そう信じてまっすぐ生きる若い人たちに勇気づけられている。

 

 ドイツでは最も寒い2月ごろにカーニバルというお祭りがある。仮装した山車?で盛大なパレードが行われる。リオのカーニバルのヨーロッパ版だ。そこでお菓子を撒かれるが、街路樹に登って傘を逆さまに広げ。たくさんのお菓子をせしめているのは決まって中国の人だった。柔らかく言えば「あまり人の目を気にしない」?もちろん全てが全てそんな人ばかりではない。「MANJU」という名で屋台を出していたおばさんはよくおまけをくれて、帰国の時にはお別れに会いに行った。韓国系の中国人だったかな?

 

 あらためて、日本でも中国でもドイツでもアルゼンチンでも、コロナcovid19への脅威は同じだ。重症化しない、とか大丈夫だ、というのは信じてはいけない。実際、今の中国は3年前の日本と同じだ。病気の正体や対処法がわからず右往左往する日本だった。厳しい取り組みをやめた途端ゼロに戻ってしまった。方策を誤ったとしか言いようがない。

 

 リセットチャイナ。ゼロチャイナ。この責任は誰が取るのだろう。