初めてづくし

 長い冬休みだった。社会人になりこれだけ長い冬休みを過ごしたのは初めてだ。海外諸国はこんなものなのだろう。比較するとまだまだ日本人は働きすぎだ。自分は休みだったけれど、周囲は忙しそうに動いているので焦りのような感覚も確かに残っている。日本の企業や官公庁で働いている方々にしてみれば、いくら「働きすぎ」と言われようとも、この焦燥感の方が嫌なのだと思う。

 

 時間はたくさんあったけれど、やったことと言えば実家に母の顔を見に帰ったことと初詣くらいだ。再燃してきたコロナもあって、子どもたちも今回は正月の我が家訪問を見合わせたので、夫婦だけの年越しになった。これも考えてみれば人生初! 休みの時間が長かったことより、やることをなくしたのがこの「ゆったり感」の原因だ。

 

 そうすると、やはり各業界の業務改善は「やることを減らす」ことに尽きる。企業がやることを減らせば利益が減ることになるし、教育現場の人間なので学校をモデルにいうと学校の業務改善こそ近年強く言われ続けている。各学校で削ぎ落とせるのは全体業務のほんの一部でしかなく、中央省庁が本丸を落としてもらわないと、たとえITを駆使しても厳しい。それが実感だ。いろいろ試みたが、振り返って「できた」と思えることはない。でもどうせやるならと「楽しく」できることはあった。子どもも先生も楽しめる授業づくりだ。付加価値として「楽しい」という感情が伴えば、その仕事に対するモチベーションが上がる。もちろん保護者や地域の理解や、学校内の意識共有など管理職の課題や苦労も多い。そういう全体量としての苦労や努力が大きいほどに年度末に求める達成感も大きくなる。

 

 これは果たして悪しき循環か?でも、日本人はみんなでがんばるようにできている。多忙から少し解放された?今になって気づく。もう一度荒波に飛び込みたいという気持ちも芽生える。

 

 気持ち新たに良いお正月だった。