かけこみ寺

 古い言い方かもしれないが、この部屋はかけこみ寺だ。さんざん胸の中に溜まったネガティブなエネルギーを放出していく。そんなにたくさん抱えているんだなあ、と切なくも思うし何とか楽にしてやりたいとも思う。感情移入してしまったらダメなのかもしれないが共感する部分が多い。あっもちろん日本語で受け止めて日本語で話す。

 

 もともと小学校の出身なので、中学生は相手をするのも大変だ。そんな中で尊敬されてやまない先生の話も聞く。すごいと感心してしまう。日本の教育はきっとそういう人たちに支えられてきたのだろう。自分もそう思われていたのだろうかと考えると恥ずかしい。

 

 学校の仕事は終わりはない。子育てを考えればよくわかる。どこが終着点か?そんなものはない。米寿になる我が母もそう言っている。批判を恐れずにいうと学校の先生がしんどいのは、その仕事のほとんどが押しつけられたものだからだ。放課後の教室でひとり、1日を振り返りながら明日の構想を練る。そんな時間が30分でも取れたらだいぶ幸せで、日本の教育は少し変わる。

 

 新人の頃は田舎の学校だったけれど、そういう時間が少しはあった。今は次から次へと文書がメールでやってくる。その数1年間で3000に近い。数えてみた人がいた。

 せめて1割いや2割、減らせてやれないか。公立学校の上級庁様。ここは私立、文書だけはほとんど来ない。出張もない。

 それでも子どもたちは不満がある。きっとどこに行ってもあるんだよ。